スペイン最高貴の白品種
スペイン北西部に位置するガリシア州で最も重要なD.O.であるリアス・バイシャスは、スペインを代表する白ワインの生産地である。大西洋に面したこのエリアは、複雑に入り組んだ海岸線と深緑に包まれた渓谷が織りなす景観の通り、気候は海の影響を強く受けて温暖・多雨である。暑く乾燥したスペイン内陸部の産地とは対照的に、一般的にリアス・バイシャスでは夏の最高気温は30度を超えることは珍しく、真冬でも氷点下になることは少ない。また、年間平均降水量は1600mmと他のスペインの生産地と比べても多く、秋から春にかけて雨がよく降る。かつてのリアス・バイシャスは、垢抜けない自家消費用ワインの産地だった。その大きな要因は、小農制度にあった。畑が子供の数で等分して相続され続けた結果、各生産者が所有する畑の面積が少なくなりすぎ、ワイン造りを産業として発展させるのが難しかったのだ。各生産者の平均所有畑は0.5ha以下、その中にはブドウの樹を数本しか持たない生産者も含まれる。しかし、1980年頃から意欲の高い栽培家や醸造家の間で土着ブドウのアルバリーニョのポテンシャルを見直す動きが高まり、1988年にD.O.リアス・バイシャスが誕生すると、この地のワイン造りは急激な成長を遂げた。D.O.設立から20年で6倍以上も栽培面積が増え、当初は3つだったサブリージョンも5つになった。この劇的な変化をもたらしたアルバリーニョは現在、リアス・バイシャスの総栽培面積の95%を占め、スペインで最も高貴な白品種という揺るぎない地位を誇る。